T-SQUARE / ティー・スクェア - 100JFusion.com

T-SQUARE / ティー・スクェア
Biography

T-SQUARE(ティー・スクェア)は、日本のインストゥメンタルバンド。1988年までは、THE SQUARE(ザ・スクェア)名義で活動していた。通称はスクェア。

一般的にはジャズ・フュージョンのスタイルとして認知され、メディアでもそのように取り扱われているが、当人らは自身を「ポップ・インストゥメンタル・バンド」と称している。サックスやウィンドシンセを前面に出した音楽が特徴。

T-SQUARE / ティー・スクェアのアルバム

Lucky Summer Lady 1978.09.21 VRCL-2001
Midnight Lover 1978.12.21 VRCL-2002
Make Me A Star 1979.06.21 VRCL-2003
Rockoon 1980.04.01 VRCL-2004
MAGIC 1981.11.01 VRCL-2005
脚線美の誘惑 1982.11.21 VRCL-2006
うち水にRainbow 1983.05.21 VRCL-2007
ADVENTURES 1984.04.01 VRCL-2010
Stars and the Moon 1984.12.01 VRCL-2013
R・E・S・O・R・T 1985.04.01 VRCL-2014
S・P・O・R・T・S 1986.03.05 VRCL-2017
TRUTH 1987.04.01 VRCL-2055
YES,NO. 1988.02.26 VRCL-2021
WAVE 1989.03.21 VRCL-2024
NATURAL 1990.04.21 VRCL-2026
NEW-S 1991.03.21 VRCL-2030
IMPRESSIVE 1992.04.22 VRCL-2034
HUMAN 1993.04.21 VRCL-2037
夏の惑星 1994.04.21 VRCL-2039
Welcome to the Rose Garden 1995.05.21 VRCL-2042
B.C. A.D.(Before Christ&Anno Domini) 1996.04.21 VRCL-2044
BLUE IN RED 1997.05.21 VRCL-2046
GRAVITY 1998.05.30 VRCL-2047
Sweet & Gentle 1999.05.21 VRCL-2051
T-SQUARE 2000.04.01 VRCL-2052
FRIENDSHIP 2000.10.18 VRCL-3333
BRASIL 2001.05.23 VRCL-3337
New Road, Old Way 2002.04.24 VRCL-3339
Spirits 2003.04.23 VRCL-3343
GROOVE GLOBE 2004.04.21 VRCL-10002
PASSION FLOWER 2005.04.20 VRCL-10004
BLOOD MUSIC 2006.04.19 VRCL-10007
33 2007.04.18 VRCL-10008
Wonderful Days 2008.05.21 VRCL-10011
DISCOVERIES 2009.05.27 VRCL-10014
時間旅行 2010.05.26 VRCL-10101
Nine Stories 2011.04.27 VRCL-10103
Wings 2012.05.23 VRCL-10107
Smile 2013.04.24 VRCL-10109
NEXT 2014.06.01 VRCL-10117
Paradise 2015.07.08 OLCH-10001
TREASURE HUNTER 2016.04.27 OLCH-10003
REBIRTH 2017.04.26 OLCH-10007
CITY COASTER 2018.04.25 OLCH-10010

T-SQUARE / ティー・スクェアの活躍

THE SQUARE 時代

1976年11月、当時明治大学の学生だった安藤正容(安藤まさひろ)によって結成。大学生のビッグバンド界で名を馳せていた伊東毅(伊東たけし)らが加入し、1978年にアルバム『Lucky Summer Lady』を発表したことで本格的に活動を開始。既存のジャズ・ミュージシャンやスタジオ・ミュージシャンらで構成されていた黎明期のフュージョン界に、メンバー全員が全くの新人として登場。

デビュー後数年はメンバーチェンジを繰り返しつつも、後のスクェアの代名詞でもあるウインドシンセサイザーの導入、ボーカリストを迎えてのボーカル曲の制作、タモリや松任谷由実とのコラボレーションなど独自の路線を展開。そんな中で1980年に田中豊雪、1982年に和泉宏隆、長谷部徹が加入し、アルバムを出すごとに変わっていたメンバーが1982年の『脚線美の誘惑』より固定され、1984年にはこのメンバーによるアルバム『ADVENTURES』を発表し、ヒットを記録する。このアルバム収録の「ALL ABOUT YOU」、「TRAVELERS」の2曲がサントリーホワイトのCMソングとなり、伊東たけしも「リリコン奏者」としてCMに出演。スクェアや伊東自身の知名度を一気に押し上げるとともに、カシオペアと並び当時のフュージョンブームの旗手となり、日本を代表するフュージョン・バンドに成長した。

メンバー固定後、大きく躍進を遂げたスクェアであったが、1985年に長谷部が、1986年に田中が脱退。代わって、その後長らくスクェアのリズムセクションを務めることになる則竹裕之、須藤満が加入する。新しい体制となって制作された1987年のアルバム『TRUTH』のタイトル曲「TRUTH」がF1グランプリ(フジテレビ系によるF1中継)のテーマ曲に使用され、F1ブームの始まりとともに大ヒットを記録。現在においても演奏され続けるスクェアの代表曲となった。

T-SQUARE 時代

1987年12月、アメリカのフュージョンバンド・ヒロシマのライブのオープニング・アクトを務めることとなり、渡米。このときの演奏がエピック・レコードのプロデューサーの耳に留まり、それがきっかけで翌1988年にはアルバム『TRUTH』を全米で発売、そして初の全米ツアーを実現させることとなった。この時、アメリカですでに似た名前のバンド「SQUARES」があったため、かの地では「T-SQUARE」と名乗り、1989年より日本でもこのバンド名に改名して活動するようになった。「T」の字に赤い四角というT-SQUAREの現在のロゴは米エピックのデザイナーによって全米デビュー時に制作されたもので、これも同時に日本で使われることとなった。また、この頃から伊東はそれまで使用していたリリコンに代わりAKAIのEWIを使用し始めている。

改名後も活発に活動を続ける中、1990年末に安藤とともにデビュー以来の主要メンバーであった伊東がLAでのソロ活動に専念するため突然の脱退。かねてからソロアルバムではフィリップ・セスをはじめとしたLAのミュージシャンと共演、また全米進出前後からソロでの海外ライブ出演が多くなっていたこともあり、そうした伊東のLA志向が脱退を後押しした形となった。伊東のCM出演によってバンドがブレイクした経緯もあって、以来スクェアの顔であり続けていた伊東の脱退は大きな衝撃となった。伊東の後任には、1990年に行われたスペシャル・ライブにてホーン・セクションとして参加していた本田雅人が加入。初のフロントマンの交代ということもあり、翌1991年の2月にはメンバーチェンジを記念した「FAREWELL & WELCOME LIVE」が行われた。

こうした事態はあったものの、本田の加入により音楽的にもルックス的にもイメージを一新し、人気は持続。「ハイパー・サックスプレイヤー」という触れ込みでアルバム『NEW-S』で鮮烈なデビューを飾った本田は、伊東とは対照的なスタイルながらも、スクェアの音楽性にテクニカルな要素をもたらし、かつそれまでのスクェアの楽曲にも新しい風を吹き込むことに成功した。特に『NEW-S』収録の「MEGALITH」は本田の音楽性、テクニックを大きく知らしめた楽曲で、現在でも本田の代表曲とされる。

本田の在籍期間7年の中でメンバーチェンジは一度もなく、その間7枚のオリジナルアルバムを発表、スクェアの歴史の中で2番目に長く続いた体制となった。1998年にフロントを7年間務めた本田、そして16年の長きに渡ってバンドサウンドの中核を担った和泉の2人が同時に脱退。3人目のフロントマンとして宮崎隆睦、16年ぶりの新キーボーディストとして難波正司を迎える。この時も伊東脱退時と同じく「FAREWELL & WELCOME LIVE」が開催されている。新メンバーである難波がプロデュースも担当したアルバム『GRAVITY』を発表。

ところが、この年の10月に難波が加入1年と経たずに脱退。4人体制となったため、この年の年末公演からはサポートキーボーディストとして松本圭司を加え活動。翌年、アルバム『Sweet & Gentle』を制作後、その年の「野音であそぶ」を経て松本を正式メンバーに迎える。またこの年から今まで発表された楽曲の中から安藤が自ら選曲とリミックスを行う企画ベストアルバム『Wordless Anthology』シリーズが開始される。この企画は楽曲のストックなどの理由でのブランクがありながらも現在まで続いている。2000年、再び5人体制となって制作されたセルフタイトルアルバム『T-SQUARE』は松本の音楽性が色濃く出た作品で、打ち込みやループ、サンプリング、ターンテーブルなどが今までになく大胆に用いられた。

新たなスタートを切ったその矢先、ライブツアー後の8月に突然のバンド形態解消が発表される。リーダー・安藤以外のメンバー4人(則竹、須藤、宮崎、松本)が脱退、そして新たなメンバーとなったのは10年ぶりのスクェア復帰となる伊東たけしであった。この時点よりT-SQUAREは安藤まさひろ・伊東たけしの2人によるユニットという形となった。このバンド形態解消は、『T-SQUARE』制作時の安藤の脱退宣言に端を発するもので、安藤はこの時点では他のギタリストを新たに迎えて活動を続けていくことを望んでいたものの、リーダーの脱退宣言に他メンバーも脱退を示唆、話し合いの結果バンドの解散が決定した。同時期に安藤は伊東との久々の共演となる企画アルバムの制作を控えており、そこで事務所・レコード会社はこの作品をT-SQUAREのアルバムとして発表することを提案。安藤と伊東も了承し、このとき制作されたものが後にユニット化後初のアルバム『FRIENDSHIP』として世に出ることになる。バンドとしてのT-SQUAREは8月20日の中央アルプスジャズフェスティバルへの出演が最後の活動となった。